データの読み方
このデータベースの信頼性は「なんでも断定しないこと」で保っています。ここでは記号の意味・分類の考え方・出典を説明します。
1. 事実・見立て・未確認のしるし
ここの民具には確たる記録がほとんどありません。そこで、すべての情報を次の4種類に分けています。
道具の一般的な仕組みの説明(例:「唐箕は風で選別する」)は民具についての一般知識に基づいています。この個体の来歴(誰が・どこで・いつ使ったか)は、上の区分で必ず見分けられるようにしています。
※現在、サイト全体のデータが館長確認前の「サンプル(仮)」段階です。各ページ上部の帯でお知らせしています。
2. 三つの分類軸
ひとつの分類にすべてを背負わせず、目的の違う3つの軸を併用しています。
軸1: 文化庁準拠の分類(信頼性のため)
国の重要有形民俗文化財で用いられている10分類に準拠しています。当収蔵庫で現在使っているのは主に「衣食住」「生産、生業」「交通・運輸・通信」の3分類です。
- 衣食住に用いられるもの
- 生産、生業に用いられるもの
- 交通・運輸・通信に用いられるもの
- 交易に用いられるもの
- 社会生活に用いられるもの
- 信仰に用いられるもの
- 民俗知識に関して用いられるもの
- 民俗芸能、娯楽、遊戯に用いられるもの
- 人の一生に関して用いられるもの
- 年中行事に用いられるもの
出典: 国指定文化財等データベース「重要有形民俗文化財」分類一覧(文化庁)(2026-07-06確認)/ 定義の背景: 文化庁「民俗文化財」
軸2: 収蔵庫のコレクション階層(アーカイブ記述のため)
アーカイブズ記述の国際標準 ISAD(G)(国際公文書館会議 ICA)の考え方にならい、資料を「まとまり」の階層で記述しています。ISAD(G)は分類法ではなく、どの階層の情報かを明示するための枠組みとして使っています。各民具の参照コード(例: UO-B-01)はこの階層に対応します。
- フォンド: 魚浦収蔵庫 — 収蔵の経緯そのものが記録対象
- コレクション: 民具コレクション(約200点・仮)
- シリーズ: 分野別コレクション — A田畑の仕事 / B台所と食 / Cわらと糸 / D火と水 / E運ぶ・たくわえる
- アイテム: 個別民具(本サイトの詳細ページ)
軸3: 現代価値タグ(活用のため)
「電気いらず」「みんなでやる仕事」「防災・非常時に」など、いまの暮らしから見た価値の印です。学術分類ではなく、使いみちを発見するための入口として館長と相談しながら付けています(仮)。一覧ページで絞り込みに使えます。
3. データ項目について
| 寸法・重さ | 現在は巻尺による簡易計測(仮)。正式な計測は今後実施。 |
|---|---|
| 材質 | 目視の見立て段階のものに「要確認」を付けています。樹種・石材の同定は専門家に依頼予定。 |
| 使える度 | 「さわれる・動かせる(要相談)/整備すれば使える/観察のみ」の3段階。館長の仮判定で、体験の可否を約束するものではありません。 |
| 記録者・記録日 | だれがいつ記録したか。見立ての責任の所在を明らかにします。 |
| 人間が確認すべきこと | 各民具ページの「記録情報」内に、館長・専門家の確認待ち事項を明記しています。 |
4. 3Dモデルについて
本サイトの3Dは、実物の写真計測(フォトグラメトリ)ではなく、寸法と構造を伝えるための簡易構造モデル(glTF/GLB形式・各20〜50KB)です。部位の名前と位置関係、おおまかなプロポーションを正としており、細部の形状・質感は実物と異なります。各ビューアに必ずその旨を明記しています。
実物の3Dスキャンは今後の課題です。スキャンが用意でき次第、同じ枠組みで差し替えます(データ構造はGLB差し替えだけで対応できるよう設計)。
5. ライセンス(案・館長確認前)
本サイトのテキスト・図版(ピクトグラム)・簡易3Dモデルは、出典表示付きの自由利用(CC BY 4.0 相当)とする方針で準備しています。ただし館長の最終確認前のため、現時点では転載時にご一報ください(仮運用)。
参考にした運用: ColBase(国立文化財機構)は政府標準利用規約(CC BY 4.0互換)で所蔵品情報を公開しています。
6. 参考にした既存データベース・サイト
- 国指定文化財等データベース(文化庁) — 有形民俗文化財の10分類を確認し、本サイトの分類軸に採用。
- 文化庁「民俗文化財」 — 民俗文化財の定義(衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する伝承)を確認。
- 文化遺産オンライン — 「暮らしの中で使用されてきた用具」という位置づけ・見せ方を参照。
- 国立民族学博物館 所蔵標本資料目録データベース — 「展示されていない資料も全件記録する」思想と、名称・地域など基本項目の設計を参照。
- 羽咋市 文化財3Dモデル公開 — 収蔵庫の未公開資料まで3D公開する先行例。平易な説明と「まず触って回せる」導線を参照。
- ジャパンサーチ — テーマ・ギャラリーなど「複数の入口」を用意する情報設計を参照。
- ColBase — 項目構成(名称・種別・員数・時代・解説)とオープンなライセンス運用を参照。
7. 免責
本サイトは整備中であり、掲載内容(寸法・年代・来歴・使える度など)には仮の情報が含まれます。学術利用・引用の際は、各項目の「事実/見立て/未確認」の区分と「サンプル(仮)」表示を必ず確認してください。